ミルコ日記

趣味や日々の思いを綴ります。

ロシアと中国にそして日本について考える。

f:id:mirukodesappu:20220309101514p:plain

ウクライナ進攻


3月8日現在ウクライナへの軍事侵攻の最中、現時点で分かっているには、プーチンの予想以上にウクライナ制圧に手間取っており、侵攻も2週間にわたっている。

各地、各国からのプーチン大統領に対する非難と平和を求める声とウクライナ人に対する同情の声やデモは日に日に大きくなっている。

物事の真偽は裏表両面ある。ウィグル人ジェノサイドを繰り返す中国共産党が平和の祭典であるオリンピックを平然と挙行し、オリンピック委員会も国連もそれを止めることができないばかりか、国の偉業を褒め称える。

プーチン大統領習近平主席も国が違うだけで同種の独裁者である。過去の大戦の反省から大国は独裁者が出てきにくい仕組みを作り、民主的な手法で民衆が選ぶ方法を作り上げてきた訳だ。しかし、21世紀にも独裁者が登場している。結局野望を持ちそれを成し遂げるためにトップに上り詰める為に、様々な手段で政敵を排除し、時に懐柔、取引を繰り返してその座を得ていると言う事である。仕組みはハードルにはなるが、変えることができる以上永遠でもないし、抜け道はある。

国連参加国200弱の国には独裁国家はかなりあるが、小国であれば、一人に権力を集中し、国の発展を任せるのはある意味中小企業のオーナーの様に、その才覚とバイタリティ、家族(国民)を養う使命感から国民から支持される事で国の発展を優先として国家運営をすることはあると思うし、非難されることは無い。しかし、国連の常任理事国の様な強大な影響力のある国では、そう言う訳にはいかない。人口規模が大きくなれば、皆が支持することはあり得ないから、多数決で方向性を定める、その担い手は国民である。ロシアも中国も選挙と言うプロセスを経ていて選出された形にすることで「独裁者」と呼ばれないようにしているが、彼らにも「独裁者」と烙印を押されたくないと言う、民主主義を善とする理念が浸透しているという事だろう。独裁を認めれば、その後はどうしたいのか、生きてる内は富と権力を独占できるが、その後は血族に継がせる?

中国の様に、血族で権力を継承し、それより強い国が台頭し、負ければ、神に見放されたとして、次の違う王朝が国を支配すると言う易姓革命を是とする国柄もあれば、アメリカの様に4年二期までを最長として、それ以上の政権運用は仮に支持率が高くても認めず、改めて立候補者から代表を選出する国々も多い。

f:id:mirukodesappu:20220309102151p:plain

よく言われるところであるが、日本は国の象徴は天皇陛下であって、元首である。しかし、政治は天皇が国民が選挙で選出した議員の代表として総理大臣を任命し、運営にあたる。選んだのは国民であり、そのかじ取りの成否も、国民が判断して選挙で意思を示す。よって天皇に類は及ばない。「君臨すれども統治せず」であり、血統による継承であるため、シンプルかつ明確であり、脈々と継続する仕組みであり、その意味で、尊い家柄である。時間が経てば経つほどその重みがますので、日本に至っては2,000年以上続く王朝は世界最古と言える。北朝鮮がキム一族の独裁を維持する為、血統を重視し、その政権の妥当性を主張する”チュチェ思想”を浸透させ、永遠に国民を隷属させる試みをしているが、この手法は天皇制を模倣している気がする。日本の場合、思想性は天皇の成立当時は思想性の裏付けはあったかもしれない。しかし、今は既に日本人のDNAに刷り込まれた敬慕の念が国柄として皇室を頂いていることで安定している。国民は不満があれば、為政者に不満を覚える。だから皇室自体に不満を感じる事はない。北朝鮮はこの点でかなり危うい。国が疲弊して不満が蓄積した時にそのはけ口は必ず為政者に行くと言う原理をどうやってかわすのか見ものである。

話は戻るが、ウクライナ進攻は単純な覇権主義によるとは言い難い歴史的なもつれがある。しかし、歴史にはどこを起点に判断するかにより、答えは異なるので、白黒は付けられない事はよくある。正邪を判断するのは結局、現在生きている人たちなのであるから、歴史的な経緯をそれぞれの立場で説明し正統性を主張しても、それらを聞く人々の判断はその国に対する印象や、利害関係で正統性の後付けに過ぎない。

2月26日の進行から2週間が経とうとしているが、ロシアは当然短期決戦で、早々に現ゼレンスキー政権を追い出して傀儡政権と和平合意をして、ベラルーシの様な親露派国にするつもりだったのは間違いないし、そのような環境作りも世論誘導も含め見て取れる。アメリカもその様に見ていて、ゼレンスキー大統領が国外に逃亡政府を構えた後に、対ロ戦略をどうするかを専ら考えていたと思える。

これは各国似たような状況分析をしていた為、ロシアを怒らせてまで、ウクライナを支援するか、かなり慎重では飽くまでも「建前論的な正論」つまり、”武力による現状変更は認めない”とする日本政府の主張と似たり寄ったりだったと伺える。それが、意外なウクライナ人のロシアへの強い反発と、抵抗力により長期戦の様相を呈してきたことで、一気に世論は弱者ウクライナへの支援と傾いた。ロシアのあからさまな領土欲がその進行方法や手法で一端が明らかになったことで、嫌悪感と危機感を周辺国がもち、スウェーデンフィンランド永世中立国のスイス、ロシアへのエネルギー依存の高いドイツでさえも反露に舵を切ったのだ。

こうなるとNATO対ロシアもさることながら、ロシアが立場上世界で孤立することになる。国連全体会議の決議で圧倒的な多数でウクライナ支持とロシアへんこ非難決議をしたことでもよくわかる。

ここで微妙な立場なのが、中国である。冬季オリンピック開会式でのプーチン大統領の歓待と首脳会談で、ウクライナを自国の一部と主張するプーチンに賛同し、台湾での中国の立場を支援を取り付ける事に満足していただけに、現状での発言がロシア寄りになればなるほど世界の反発を受ける事にとても敏感になっており、秋の党大会をを控え、習近平としては失点にする事は出来ないとの思いが見え隠れする。今はお得意の爆買いを経済的に窮地に追いやられるロシアへの助け舟として恩を売っている。しかしそのうち状況は変わると思われ、何時までコウモリ外交が出来るか見ものである。

f:id:mirukodesappu:20220309101650p:plainf:id:mirukodesappu:20220309101716p:plain

この状況は台湾状況に似ている。ウクライナウクライナの歴史的経緯やロシア人とウクライナ人との人種的軋轢や親近感などは日本人の私たちには判りにくいところであるが、今のプーチンの主張をそのまま、現在身近に迫る中国の脅威として置き換えると、台湾人は中国人と同質であり、台湾は中国の一部である。台湾問題は中国の国内問題である。これはウクライナ問題はロシアの安全保障上一体として考えるべきで、ウクライナ非武装中立のロシアの盾となるのは、そもそもロシアと一体の国土であるから当然との主張と同意である。またその先には沖縄は琉球王国時に中国に朝貢しており、古来中国の一王国であり、その列島の一部が尖閣諸島なので、まずは尖閣諸島は中国の領土として認めるべきと言う理屈と一線上にあると言う論法で来るのは間違いない。

空恐ろしい状況であるが、ノー天気な日本人と反日日本人・反米活動家がそれらに呼応してデモをしたり、世論誘導したり、中国のネット上のプロパガンダを真に受けているのは昨今では、朝日や毎日の左翼リベラルを標榜するメディアが発行部数を落とし、厳しい経営環境に陥っている中で、更にこれらの一部読者層を取り込むため左傾化してより過激な論調となっているのも注意が必要である。

いずれにしろ、これらのウクライナ情勢次第で中国は動くと思われる。この結果次第でその野望をどう実現するかのリトマス試験紙となるのだ。私たちも他人ごとではない。この動向を注視したいし、併せて中国共産党の動きとそれに連動する世論操作には十分注意する必要がある。他人ごとではない。願わくば、ウクライナがロシアを撤退させ、プーチン政権がこれを機に瓦解することがベストなシナリオだろう。